Shock up! (サンデーGXコミックス)

 

ブラックラグーンの広江礼威氏の作品。ブラックラグーンより前の作品である。

遺伝子操作で生み出された人造人間であるヒロインに出会う無気力気味な主人公。彼らを取り巻く世界は、ヒロインを追い詰める暗い部分を持ってもいるし、友人たちが見せる優しい面も持っている。そんな世界で、彼らが生きていくお話。

一読して、思ったのは、『もったいないなあ』ということ。

フォーマットとしては王道。ヒロインが変身できたりするのでアクションも出来れば、学校の日常も描きようがあったろう。

友情にしても陰謀にしても、いろいろな話の広げ方はあったのだろうけれど、打ち切りになった作品の常で、広げられずにおわった風呂敷が残ってしまっている艦が否めない。

大風呂敷を閉じ損ねた作品もさびしいけれど、これから広がるぞ! という時に、広げられもせずにおわった作品はなおさびしい。面白くなりそうであるが故に。

実際には読み切りから連載へ、雑誌が無くなって復活するも打ち切り……とかなり翻弄されつつの作品ではあったようだ。しかし、これを乗り越えてブラックラグーンを作り上げたと作者も言っているように、作者の糧となったのなら、それもまたよしと言えるかもしれない。

とはいえ、そういった部分に目をつぶれば、基本的にキャラクターも感情移入しやすいし、展開もそれなりにスピーディでだれたりもしない。個人的にはかなり好きな作品。

 

「一佐、自分はああいうガキ嫌いじゃないっスよ」

「うるせぇ。黙って運転しろ武久一曹。てめえに言われんでもわかってる」

 

それにしても、主人公が『陸奥長門』ってすごい豪勢な名前だよね。

 

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