萌え萌えクトゥルー神話事典

萌え萌えクトゥルー神話事典

クトゥルー神話を、萌えイラストを交えて解説していくという、萌え本の一種。

しかし、考えてみて欲しい。

そもそも、クトゥルー神話に出てくる、クリーチャー/神性/あるいはおぞましいなにものかは、尋常な精神では正視に耐えうるものではない。

文章でもおぼろげに、読者の想像力に訴える書き方をするか、あるいは狂気の精神が映し出す影絵のようなものとして描かれているそんなものたちをイラスト化するという行為は非常に難しく、また、本来の『人の知り得ぬ恐怖』というものをスポイルする結果となる。

であるならば、この本のようにいっそ美少女化してしまうというのも、一つの手なのではないだろうか。

詩句にも言うではないか。

美わしきもの見し人は
はや死の手にぞわたされつ

美麗なイラストもまた、狂気への誘いである。

……と、冗談めかして書いてみたが、実は結構本気で上記のようなことは思っている。

描き出せないのなら、ある意味で手に入らない美しいものに変えてしまうというのは一つの解であろう。

ただ、この本で唯一残念だと思うところは、本来の(文章から想像した)絵図も載せてしまっていること。そこは原著からの引用などで補い、読者の想像に任せて欲しかったと思う。

ちなみに、クトゥルー神話の解説本としてはいたって真面目で、詰め込みすぎの感すらある。なかなか面白い本。

 

……というようなことを、発売後しばらくして購入した時には書いていたのだが、いまでは絶版のようである。残念。

 

関連記事

不死の猟犬1 不死の猟犬 1    一度死ねば、病気も怪我も治って復活する人類が生きる世界で、『復活しない』病気を感染させる感染源を守る女性のお話。なぜかその活動時はセーラー服だが、普段は社会人をやっていて、お酒もたしなむ。(酔うと周りが見えなくなるが) お前らみたいに、ピストル自殺で、...
SHOOK UP!   ブラックラグーンの広江礼威氏の作品。ブラックラグーンより前の作品である。 遺伝子操作で生み出された人造人間であるヒロインに出会う無気力気味な主人公。彼らを取り巻く世界は、ヒロインを追い詰める暗い部分を持ってもいるし、友人たちが見せる優しい面も持っている。そんな世界で...
国家魔導最終兵器少女アーク・ロウ 国家魔導最終兵器少女アーク・ロウ    昨日、6月20日発売の富士見ファンタジア文庫の新刊。 これより――世界を殺すお手伝いをいたします 一言で言うなら、王道を煮詰めた作品。 故国のために人質となって他国に出た貴種が、故国で心を交わした友に命を狙われ、理不尽に...
FUTRE is WILD ドゥーガル・ディクソンといえば、『アフターマン』、『マンアフターマン』と秀逸なSF──未来生物図鑑──をものした人物であるが、このフューチャー・イズ・ワイルドもまたその系譜につながる架空の未来を描いた作品である。 魚が空を飛んだ理由 『マンアフターマン』が、人類が滅びていく(ある...